今あるもので未来をつくる

― エフェクチュエーションという生き方 ―

「ちゃんと計画を立てなさい」
「ゴールを決めて逆算しなさい」

ずっとそう教えられてきた。

でも、人生って本当にそんなに計算通りに進むだろうか。

私は最近、「エフェクチュエーション」という考え方を知った。
これは、未来を予測するのではなく、

“今あるものから未来をつくる”

という思考法だ。

エフェクチュエーションの5つの原則

① 手中の鳥の原則

今、自分の手の中にあるものから始める。

私は誰か。
何を知っているか。
誰を知っているか。

完璧な準備はいらない。
足りないものを数えるより、
すでに持っているものを見る。

30年のアート経験。
教育現場での実践。
心を整える時間を大切にしてきた日々。

それだけで、もう十分だった。

② 許容可能な損失の原則

「どれだけ儲かるか」ではなく、
「どこまでなら失ってもいいか」で決める。

大きな勝負をしなくてもいい。
小さく始めて、静かに続ける。

無理をしない挑戦は、長く続く。

③ クレイジーキルトの原則

関わる人と一緒に縫い合わせていく。

最初から完成図はない。
出会いが増えるたびに、形は変わる。

生徒との時間。
家族との会話。
共鳴してくれる人とのつながり。

それが一枚の布になっていく。

④ レモネードの原則

想定外は、材料になる。

トラブルも、失敗も、
人生の“レモン”。

でも、それで終わらない。
絞れば、レモネードになる。

あの日の出来事も、
苦しかった時間も、
今は私の言葉の深みになっている。

⑤ パイロットの原則

未来は予測するものではなく、
自分が操縦するもの。

環境のせいにしない。
景気のせいにしない。

ハンドルは、私の手の中にある。

計画しなくてもいいのか?

違う。

計画を否定するのではない。
ただ、

「完璧な未来図がなくても、動いていい」

という許可をくれる考え方だ。

私はずっと
“完成図が見えないと動けない人” だった。

でも今は違う。

今あるものから始めて、
出会いながら、変わりながら、進めばいい。

それは不安定ではなく、
とても創造的な生き方だ。

未来は、待つものではない。

今ここから、縫いながら、
少しずつ形にしていくもの。

それでいい。

むしろ、その方が美しい。